2011年06月29日

review:市村しげの「Intimate Relativity -親密さの相対性-」《5/14、6/2》

review:市村しげの「Intimate Relativity -親密さの相対性-」《5/14、6/2》

市村しげの「Intimate Relativity -親密さの相対性-」
BASE GALLERY
東京都中央区日本橋茅場町1-1-6 小浦第一ビル1F
03-5623-6655
5/13(金)〜6/30(木)日祝休
11:00〜19:00
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Shigeno Ichimura "Intimate Relativity"
BASE GALLERY
1-1-6-1F,Nihonbashi-Kayaba-cho,Chuo-ku,Tokyo
03-5623-6655
5/13(Fri)-6/30(Thu) closed on Sunday and national holiday
11:00-19:00
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前回の個展でのシルバーで展開されるクールでブリリアントな世界、その印象が強かっただけに、今回の展示空間に入った瞬間、痛快なまでに意表を突くバラエティに富んだ色彩の展開に驚かされ、そして高揚感もぐんと高まった次第。
画面に幾何学的に配される大小のドット、その連なりが「広がり」や「流れ」「動き」のイメージを想起させ、リズミカルな雰囲気が届けられる感触はしっかりと引き継ぎながら、そこにさまざまな色彩が持ち込まれることでこれまでには思い描かれることがなかったポップな印象も生み出されているように思えます。

ブラックのクールさ、シルバーの金属的な光沢はまた異なる艶やかさが重厚な気配となって迫ります。画面下部に大きく流れる幾重かのドットの羅列の弧、そこを縦に降るように小さな円形が散りばめられて、おおらかな動的イメージを備える空間性もそこに導き出されています。


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鮮やかな色彩にも一瞬で魅せられます。
幾何学的なドットの配置のリズム感も、いっそうポップで軽やかな気配で放たれます。また、今回展示されている作品すべてに施されているのですが、単語が彫り込まれるさまざまな色彩の細いシールが画面に配されて、その無機的な存在も画面にシャープなアクセントとして機能し、全体的な明るいポジティブな気配に内省的な風合いも程よくもたらしているように思えます。


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画面中央で大きく対称の位置関係で交錯する楕円と、さまざまなパターンで組まれる装飾的な円形のモチーフがふたつの大きな楕円で区切られるそれぞれのスペースに収まって、ダイナミックな広がりとパターンの幾何学的で緻密な風合いとが関わり合い、さらにそこに暗いブルーによって重厚さも生み出されます。そしてそこに散りばめられるさまざまな単語、この作品ではひとつの色彩でシール部分も統一され、それがクールさとなって全体の気配に挿入されているように感じられます。


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白い画面の作品も。
ふわりと軽やかな風合いが新鮮です。盛り上がるドットの立体的な丸みもいっそうやさしくまろやかに感じられます。


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白の色彩の新鮮さとともに、ドットの配置が導き出す全体の構図のユニークさも楽しい作品も。スクエアの画面のおよそ左上と右下とに大きな円を配し、それぞれのなかに組み込まれる装飾的な緻密な円形のパターンが絶妙に大きな円と中心を異にし、またふたつの大きな円から放射状に連なるドットのラインがストレートに広がりがもたらされ、構造のきらびやかな動的イメージと白のふわりとやさしい色調とが関わり合うことで痛快な、ワクワクするような高揚と心地よさをもたらします。


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さまざまな色彩の作品がずらりと並ぶことで、もとより引き継いで制作されるシルバーの作品の重厚さとゴージャスな感触がいっそう際立って感じられます。背景部分のフラットな仕上がりの美しさ、幾何学的な絢爛として組み上げられ、力強く迫る大小のドットの複雑なパターン。さまざまな要素は他の色彩と比べてもメカニカルな感触はぐっと強まっていて、フューチャリスティックな感じとどこか古代に通じるようなプリミティブなイマジネーションの展開とが混在し、金属的な光沢のブリリアントさのなかに潜む深み、静謐さに感じ入ります。


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コンパクトな画面の作品が並ぶ壁面も楽しいです。
ちいさなスクエアのなかにある意味実験的に展開されるドットのパターンが、色彩のバリエーションと重なっていっそう賑やかでホットな雰囲気をもたらしています。


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とにかく壮観です。
画面にドットを配して幾何学的な構造により、豊かなリズムを導き出すといった感じの平面作品としてのストイックなまでの統一感、そこにある種の「遊び」として機能する色彩のバリエーション。それぞれの画面に、そしてひとつの空間に持ち込まれる市川さんがこれまで積み上げてこられた重厚な世界観と、さらにそれをしっかりと保ちながらさまざまなかたちで織り込まれる斬新な要素との絶妙なバランスにおおいに感じ入り、そして格好良さに魅せられ、イメージの広がりに伴って高揚感が煽られるのがなんとも楽しいです。


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posted by makuuchi at 06:53| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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