2011年12月24日

review:大川心平展 ―遠近―《11/24》

review:大川心平展 ―遠近―《11/24》

大川心平展 ―遠近―
NICHE GALLERY
東京都中央区銀座3-3-12 銀座ビル3F
03-5250-1006
11/18(金)〜11/26(Sat)日休
11:00〜18:30
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Shinpei Okawa "Enkin - Near and Far -"
NICHE GALLERY
3-3-12-3F,Ginza,Chuo-ku,Tokyo
03-5250-1006
11/18(Fri)-11/26(Sat) closed on Sunday
11:00-18:30
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昨年の個展で相当なサイズの作品を発表されその迫力と隅々まで保たれる密度の凄まじさに圧倒されたのですが、それから1年未満で開催された今回の大川さんの個展、そのバイタリティは一体どこにあるのかと驚かずにはいられないほどの精緻な具象表現によるペインティングがずらりと並び、ギャラリーに入った瞬間に大川さんが描き上げる独特の暗く硬い世界観に一気に入り込んだ次第。そして今回発表された作品は、これまでよりもさらに「現実」との距離が近づけられたような印象で、高い写実性でこそ表現される臨場感たっぷりのシュールさはしっかりと保ちながら、例えばランドセルを背負う女の子や何とも懐かしげな看板などがさり気なく描き加えられていることでこれまでにはそれほど強く感じられなかったコミカルな風合いが備わっていたのもかなり興味深く思えます。

お馴染みのストイックな構図、建築物などを画面のド正面に据え、水平視点で淡々とその姿を描き現していくアプローチは相当に硬質な雰囲気を醸し出し、そのあまりにもストレートに安定した画面構成が、そのなかに散りばめられている朽ち廃れたさまざまな要素が醸し出す儚げで危うい雰囲気をいっそう鋭いものへと仕立てているようにも感じられます。地表に沈み、はたまた吹き荒ぶ風に散り散りにされてしまった人の気配、そこに残るうら寂しげな感触はいっそうの深みを増し、しかしどことなく現実感が漂ってくるほどの生々しくストイックな描写により、寸でのところで入り込むことを拒絶するかのような印象さえ届けられているように思えます。

初めて拝見する鉛筆画の緻密さにも大いに唸らされました。当然抑え込まれる色数、そして筆とはまた異なる鉛筆ならではの細くしなやかな線は、それぞれ想像上の廃屋を微細に渡ってシャープに表現し、油画とはひと味違う硬質感を醸し出しているように思えます。

もとよりの高い写実のテクニックを駆使して描き上げられる大川さんの世界は、さらにそのオリジナリティに磨きがかかってきているように思えます。シャープに描写されるからこそ露になるその世界観の「歪み」が今度はどのように押し進められていくかも楽しみです。



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posted by makuuchi at 11:44| review | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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